肝臓の状態を反映する検査項目

総コレステロール、コリンエステラーゼ(ChE)、乳酸脱水素酵素(LDH)は、いずれも肝臓の状態を評価する際に参考となる検査項目です。
これらの検査は、AST・ALT・γ-GTPのように肝臓の「ダメージ」を直接示すものではありませんが、肝臓の「合成能力」や「代謝機能」を反映します。他の検査項目と組み合わせて評価することで、肝臓の状態をより詳しく把握することができます。
総コレステロールとは?
総コレステロールは、血液中に含まれるコレステロールの総量を示す検査項目です。コレステロールは細胞膜やホルモンの材料として必要な物質で、その多くは肝臓で合成されています。
一般的に総コレステロールが高いと動脈硬化のリスクとして注目されますが、肝臓の病気では逆に低下することがあります。肝硬変など肝臓の合成能力が低下した状態では、コレステロールを十分に作れなくなるためです。
コリンエステラーゼ(ChE)とは?
コリンエステラーゼ(ChE)は、肝臓で作られる酵素の一つです。アルブミンと同様に、肝臓の「合成能力」を反映する指標として用いられます。
ChEは肝臓の機能が低下すると減少します。肝硬変や重症の肝炎では、ChEが低下することが多いです。一方、脂肪肝や糖尿病、肥満などでは、ChEが上昇することがあります。
乳酸脱水素酵素(LDH)とは?
乳酸脱水素酵素(LDH)は、糖をエネルギーに変換する過程で働く酵素です。肝臓だけでなく、心臓、筋肉、赤血球、腎臓など多くの臓器や組織に存在します。
LDHは細胞が壊れると血液中に放出されるため、様々な臓器の障害で上昇します。肝臓の病気でも上昇しますが、肝臓に特異的な検査ではないため、他の検査項目と組み合わせて評価することが重要です。
基準値の目安
各項目の一般的な基準値は以下の通りです。
総コレステロール
150~219 mg/dL程度
コリンエステラーゼ(ChE)
- 男性:240~486 U/L程度
- 女性:201~421 U/L程度
乳酸脱水素酵素(LDH)
124~222 U/L程度
※基準値は検査機関や施設により異なります。検査結果に記載されている基準値をご確認ください
数値が異常になる原因
各検査項目が異常値を示す原因には、以下のようなものがあります。
総コレステロールが低くなる原因
肝硬変では肝臓でのコレステロール合成能力が低下し、総コレステロールが低くなります。また、甲状腺機能亢進症や低栄養状態でも低下することがあります。
ChEが低くなる原因
肝硬変や慢性肝炎が進行すると、肝臓でのChE合成能力が低下し、数値が低くなります。また、有機リン系農薬による中毒でも低下することがあります。
ChEが高くなる原因
脂肪肝、糖尿病、肥満、ネフローゼ症候群などでChEが上昇することがあります。
LDHが高くなる原因
肝障害(急性肝炎、肝硬変、肝臓がんなど)でLDHが上昇します。ただし、心筋梗塞、溶血性貧血、悪性腫瘍、筋肉の病気など、肝臓以外の原因でも上昇するため、原因の特定には他の検査が必要です。
検査で異常を指摘されたら?
これらの検査項目は単独で評価するよりも、AST・ALT・γ-GTP・アルブミンなど他の肝機能検査と組み合わせて評価することが重要です。
特にChEや総コレステロールの低下は、肝臓の合成能力が低下していることを示すサインです。アルブミンの低下と合わせて見られる場合は、肝硬変の可能性を考える必要があります。健康診断でこれらの検査値に異常を指摘された方は、肝臓の状態を詳しく調べることをおすすめします。
「健康診断でコレステロールが低いと言われた」「ChEやLDHの異常を指摘された」という方は、吹田市山田の山田駅前もりした内科クリニックへお気軽にご相談ください。