自己免疫性肝炎とは?

自己免疫性肝炎とは、免疫の異常により自分の肝臓を攻撃してしまう病気です。本来、免疫は細菌やウイルスなどの外敵から体を守る働きをしていますが、何らかの原因でこの仕組みに異常が起こり、自分自身の肝臓の細胞を攻撃してしまいます。
自己免疫性肝炎は中年以降の女性に多く見られます。慢性的に経過することが多いですが、急性肝炎として発症することもあります。適切な治療を行うことで多くの方で肝機能が改善しますが、治療を中断すると再燃することがあるため、長期的な経過観察が必要です。
吹田市山田の山田駅前もりした内科クリニックでは、血液検査とエコー検査で肝臓の状態を詳しく評価し、自己免疫性肝炎が疑われる場合は適切な検査を進めます。確定診断のために肝生検が必要な場合は、連携する基幹病院・専門医療機関へご紹介します。
こんな方はご相談ください
- 原因不明の肝機能異常が続いている
- 他の自己免疫疾患(甲状腺疾患、関節リウマチなど)がある
- 倦怠感や疲れやすさが続いている
- ウイルス性肝炎ではないのに肝臓の数値が高い
- 黄疸が出たことがある
- 女性で中年以降に肝機能異常を指摘された
など
ウイルス検査で異常がないのに肝機能異常が続く場合は、自己免疫性肝炎の可能性を考えて検査を行うことがあります。
自己免疫性肝炎の原因
自己免疫性肝炎の詳しい原因はまだわかっていません。
自己免疫の異常
免疫システムが何らかの原因で異常を起こし、自分の肝臓の細胞を「異物」と認識して攻撃してしまいます。なぜこのような異常が起こるのかは、まだ解明されていません。
遺伝的な要因
自己免疫性肝炎になりやすい体質には、遺伝的な要因が関係していると考えられています。ただし、必ず遺伝するわけではありません。
他の要因
ウイルス感染や薬剤が引き金になることがあるとも言われていますが、明確な原因が特定できないことがほとんどです。
自己免疫性肝炎の特徴
自己免疫性肝炎には、以下のような特徴があります。
女性に多い
患者さんの約70~80%が女性です。特に40歳以降の中年女性に多く発症しますが、若い方やご高齢の方、男性にも起こることがあります。
他の自己免疫疾患との合併
甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病など)、シェーグレン症候群、関節リウマチなど、他の自己免疫疾患を合併していることがあります。すでに他の自己免疫疾患がある方で肝機能異常が見られた場合は、自己免疫性肝炎の可能性を考えます。
発症のパターン
多くは慢性的に経過しますが、急性肝炎として発症することもあります。急性発症の場合は、倦怠感、発熱、黄疸などの症状が現れることがあります。
治療の継続が重要
適切な治療を行うことで、多くの方で肝機能が改善します。ただし、治療を中断すると再燃することが多いため、長期にわたる治療の継続が必要になることがあります。
自己免疫性肝炎を放置すると?
自己免疫性肝炎を放置すると、肝臓の炎症と線維化が徐々に進行します。
線維化が進むと肝臓は硬くなり、やがて肝硬変へと至ります。肝硬変になると肝臓の機能が大きく低下し、腹水やむくみ、黄疸などの症状が現れることがあります。さらに、肝臓がんの発生リスクも高まります。
自己免疫性肝炎は、適切な治療により進行を抑えることが可能です。早期に診断を受け、治療を継続することが大切です。
検査と診断
自己免疫性肝炎の診断には、血液検査と画像検査を組み合わせて行います。
血液検査
AST・ALTなどの肝機能の数値を確認します。自己免疫性肝炎では、抗核抗体や抗平滑筋抗体などの自己抗体が陽性になることがあります。また、免疫グロブリン(IgG)が上昇することも特徴的です。
B型肝炎・C型肝炎のウイルス検査が陰性であることも、診断の重要なポイントになります。
エコー検査
腹部エコー検査で肝臓の状態を観察します。慢性肝炎の進行度や肝硬変の有無を確認します。
肝硬度測定
当院では、肝臓の硬さを数値化する「肝硬度測定(エラストグラフィ)」に対応しています。肝臓の線維化がどの程度進んでいるかを非侵襲的に評価できます。
肝生検
確定診断のために、肝臓の組織を採取して顕微鏡で調べる検査(肝生検)が必要になることがあります。肝生検が必要な場合は、連携する専門医療機関をご紹介します。
治療について
自己免疫性肝炎の治療は、免疫を抑える薬を使用します。
ステロイド治療
自己免疫性肝炎の治療の基本は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)です。免疫の働きを抑えることで、肝臓への攻撃を止め、炎症を鎮めます。多くの方でステロイド治療により肝機能が改善します。
免疫抑制剤の併用
ステロイドだけでは効果が不十分な場合や、ステロイドの量を減らしたい場合に、アザチオプリンなどの免疫抑制剤を併用することがあります。
治療の継続
自己免疫性肝炎は、治療を中断すると再燃することが多い病気です。肝機能が安定しても、少量の薬を長期間継続することが必要になる場合があります。自己判断で薬を中止せず、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。