原発性胆汁性胆管炎とは?

原発性胆汁性胆管炎(PBC)とは、肝臓の中の小さな胆管が免疫の異常により徐々に破壊される病気です。胆管が障害されると胆汁の流れが悪くなり(胆汁うっ滞)、肝臓にダメージが蓄積していきます。
この病気は中年以降の女性に多く見られます。以前は「原発性胆汁性肝硬変」と呼ばれていましたが、早期に発見されれば肝硬変に至らないことも多いため、現在は「原発性胆汁性胆管炎」という名称に変わりました。
適切な治療を行うことで進行を抑えることができますが、長期的な経過観察が必要な病気です。吹田市山田の山田駅前もりした内科クリニックでは、肝臓専門医・指導医である院長が原発性胆汁性胆管炎の診断と治療を行います。
こんな方はご相談ください
- 原因不明の皮膚のかゆみが続いている
- 健康診断でALPやγ-GTPが高いと指摘された
- 抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性と言われた
- 倦怠感や疲れやすさが続いている
- 他の自己免疫疾患(シェーグレン症候群、関節リウマチなど)がある
- 女性で中年以降に肝機能異常を指摘された
など
原因不明のかゆみや、ALPやγ-GTPの上昇が続く方は、一度ご相談ください。
原発性胆汁性胆管炎の原因
原発性胆汁性胆管炎の詳しい原因はまだわかっていません。
自己免疫の異常
免疫システムが何らかの原因で異常を起こし、自分の胆管の細胞を攻撃してしまいます。自己免疫性肝炎と同様に、自己免疫疾患の一つと考えられています。
遺伝的な要因
原発性胆汁性胆管炎になりやすい体質には、遺伝的な要因が関係していると考えられています。ただし、必ず遺伝するわけではありません。
環境的な要因
細菌感染や化学物質などの環境要因が発症の引き金になる可能性が指摘されていますが、明確な原因は特定されていません。
原発性胆汁性胆管炎の特徴
原発性胆汁性胆管炎には、以下のような特徴があります。
女性に多い
患者さんの約90%が女性です。特に50~60歳代での発症が多く見られますが、若い方やご高齢の方にも起こることがあります。
かゆみが特徴的
原発性胆汁性胆管炎では、皮膚のかゆみが特徴的な症状です。胆汁うっ滞により胆汁成分が体内にたまることで起こります。かゆみは全身に現れ、特に夜間に強くなることがあります。
他の自己免疫疾患との合併
シェーグレン症候群(目や口の乾燥)、関節リウマチ、甲状腺疾患など、他の自己免疫疾患を合併していることがあります。
無症状で発見されることも
健康診断の血液検査でALPやγ-GTPの上昇を指摘され、詳しい検査で発見されることもあります。
原発性胆汁性胆管炎を放置すると?
原発性胆汁性胆管炎を放置すると、胆管の破壊が徐々に進行します。
胆汁うっ滞が長期間続くと肝臓の線維化が進み、やがて肝硬変へと至ることがあります。肝硬変になると肝臓の機能が大きく低下し、腹水やむくみ、黄疸などの症状が現れます。さらに、肝臓がんの発生リスクも高まります。
早期に発見して治療を開始すれば、肝硬変への進行を抑えることが可能になります。
検査と診断
原発性胆汁性胆管炎の診断には、血液検査と画像検査を組み合わせて行います。
血液検査
ALPやγ-GTPの上昇が特徴的です。また、抗ミトコンドリア抗体(AMA)という自己抗体が陽性になることが、診断の重要な手がかりとなります。免疫グロブリン(IgM)が上昇することもあります。
エコー検査
腹部エコー検査で肝臓や胆道系の状態を観察します。他の胆道疾患との鑑別に役立ちます。
肝硬度測定
当院では、肝臓の硬さを数値化する「肝硬度測定(エラストグラフィ)」に対応しています。肝臓の線維化がどの程度進んでいるかを非侵襲的に評価できます。
肝生検
確定診断のために、肝臓の組織を採取して顕微鏡で調べる検査(肝生検)が必要になることがあります。肝生検が必要な場合は、連携する病院へご紹介します。
治療について
原発性胆汁性胆管炎の治療は、胆汁の流れを改善する薬が中心となります。
ウルソデオキシコール酸(UDCA)
原発性胆汁性胆管炎の治療の基本となる薬です。胆汁の流れを改善し、肝臓へのダメージを軽減します。長期間服用することで、病気の進行を抑える効果が期待できます。
ベザフィブラート
ウルソデオキシコール酸だけでは効果が不十分な場合に、追加で使用することがあります。
かゆみの治療
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬やその他のかゆみを抑える薬を使用します。
治療の継続
原発性胆汁性胆管炎は、長期にわたる治療の継続が必要です。定期的に血液検査を行い、治療効果を確認しながら経過を見ていきます。