代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)/代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)/代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)

MASLD/MASHとは?

MASLD/MASHとは?

MASLD(マッスルディー)とMASH(マッシュ)は、お酒を飲まない方、または少量しか飲まない方に起こる脂肪肝・脂肪肝炎のことです。

MASLDは肝臓に脂肪がたまった状態、MASHはさらに炎症を伴う状態を指します。肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの代謝異常が背景にあることが多く、生活習慣病の一つとして捉えられています。

「お酒を飲まないから脂肪肝にはならない」と思われがちですが、実際には日本人の約3人に1人が脂肪肝とも言われており、その多くがMASLDです。自覚症状がないまま進行することがあるため、早期発見と適切な対応が大切です。

吹田市山田の山田駅前もりした内科クリニックでは、エコーによる肝硬度測定(エラストグラフィ)で、脂肪肝の程度や線維化の進行度を詳しく評価した上で、患者さんお一人おひとりに合った生活習慣の改善をサポートします。

こんな方はご相談ください

  • 健康診断で脂肪肝を指摘されたが、お酒はほとんど飲まない
  • 肥満または内臓脂肪が多いと言われた
  • 糖尿病、脂質異常症、高血圧がある
  • 肝機能異常(AST・ALT・γ-GTPの高値)が続いている
  • 以前NAFLDまたはNASHと診断されたことがある
  • メタボリックシンドロームと言われた
  • など

お酒を飲まないのに肝臓の数値が高い方は、MASLD/MASHの可能性があります。心当たりのある方は一度検査を受けられることをおすすめします。

名称が変わりました

MASLD/MASHは、以前はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)/NASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれていました。2023年に国際的な肝臓学会の提唱により、新しい名称に変更されました。

名称変更の背景には、「非アルコール性」という否定形の表現ではなく、病気の本質である「代謝機能障害」を重視しようという考え方があります。新しい名称には、この病気が肥満や糖尿病などの代謝異常と深く関連していることが明確に示されています。

以前NAFLDやNASHと診断された方も、現在はMASLD/MASHとして同様に診療を行います。

MASLDとMASHの違い

MASLDとMASHは、病気の進行度によって区別されます。

MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)

肝臓に脂肪がたまっている状態ですが、炎症は軽度または認めません。この段階では肝臓へのダメージは比較的軽く、生活習慣の改善により脂肪肝が改善する可能性があります。

MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)

脂肪の蓄積に加えて、肝臓に炎症が起きている状態です。炎症が続くと肝臓の細胞が壊れ、線維化が進行します。MASHは肝硬変や肝臓がんへ進行するリスクが高く、より注意が必要です。

MASLDの方の一部がMASHへと進行しますが、どのような方が進行しやすいかを事前に予測することは難しいため、定期的な検査による経過観察が大切です。

MASLD/MASHの原因

MASLD/MASHは、代謝異常が背景にあることがほとんどです。

肥満・内臓脂肪型肥満

体重が増えると肝臓にも脂肪がたまりやすくなります。特に内臓脂肪が多い方はリスクが高くなります。

糖尿病・インスリン抵抗性

糖尿病があると、インスリンの働きが悪くなり(インスリン抵抗性)、脂肪が肝臓にたまりやすくなります。糖尿病の方は脂肪肝の合併率が高いことが知られています。

脂質異常症

血液中の中性脂肪やコレステロールが高い状態は、肝臓への脂肪蓄積を促進します。

高血圧

高血圧もMASLD/MASHのリスク因子の一つです。これらの代謝異常が複数重なると、リスクはさらに高まります。

遺伝的要因

同じ生活習慣でも、MASLD/MASHになりやすい体質の方がいることがわかっています。家族に脂肪肝や肝臓病の方がいる場合は、より注意が必要です。

MASLD/MASHを放置すると?

MASLD/MASHを放置すると、深刻な病気へ進行する可能性があります。

MASLDの状態が続くと、一部の方はMASH(脂肪肝炎)へと進行します。MASHになると肝臓の炎症と線維化が進み、やがて肝硬変へと至ることがあります。肝硬変になると肝臓の機能が大きく低下し、肝臓がんの発生リスクも高まります。

この進行には10年から20年かかることもあります。若い頃からの脂肪肝を放置した結果、50代、60代で肝硬変や肝臓がんと診断されるケースも少なくありません。

検査と診断

血液検査

AST・ALT・γ-GTPなどの肝機能の数値を確認します。また、糖尿病や脂質異常症の有無、肝臓の線維化を示す指標なども調べます。

エコー検査

腹部エコー検査で肝臓の状態を観察します。脂肪肝の程度、肝臓の形態、腫瘍の有無などを確認できます。

肝硬度測定

当院では、肝臓の硬さを数値化する「肝硬度測定(エラストグラフィ)」に対応しています。肝臓の線維化がどの程度進んでいるかを非侵襲的に評価でき、MASLDとMASHの区別や病気の進行度を把握するのに役立ちます。

治療について

食事療法

摂取カロリーを適正にし、バランスのよい食事を心がけます。糖質や脂質の摂りすぎに注意し、野菜や食物繊維を意識して摂取することが大切です。

運動療法

有酸素運動を習慣にすることで、肝臓にたまった脂肪を減らすことが可能になります。ウォーキングなど、無理なく続けられる運動から始めることをおすすめします。

体重減少

体重を現在の7~10%減らすことで、脂肪肝の改善が期待できるとされています。急激なダイエットは逆効果になることがあるため、ゆっくりと減量することが大切です。

合併症の管理

糖尿病、脂質異常症、高血圧などの合併症がある場合は、それぞれの治療を並行して行います。これらをコントロールすることが、肝臓の状態の改善にもつながります。